ヨーロッパ有数の観光地であるスペインのマルベーリャ。この地でホスピタリティ・マネジメントを学んだ日本人大学院生、Rさんに話を伺いました。
多国籍な環境での学び、欧州就職の現実的なハードル、そして充実したライフスタイルについて、留学生の視点から語っていただきます。
| 専攻 | MSc in Marketing and Management in Luxury Tourism |
|---|---|
| 入学年 | 2024年9月 |
1. 学びの環境とガバナンスの現実
――まずは、大学院生活について、100満点中何点でしたか?率直に教えてください。
本当に、100点です。行くことができて心から良かったと思いますし、人生の中での特別な時間になりました。学校の環境が自分に合っていて、のびのび自分らしくいることができました!
――大学院での授業やカリキュラムの運営体制について正直な感想をお聞かせください。
正直に申し上げますと、学校側のガバナンス(運営体制)については、少し課題を感じる場面がありました。
例えば、授業が突然キャンセルになることがあったり、その確認をクラスの代表者が都度行わなければならなかったりと、学校内のコミュニケーションが円滑でない時期がありました。

――たしかに海外の教育機関では運営が日本ほどきめ細やかではないケースも聞きますが、授業の内容自体はいかがでしたか?
運営面の緩さはありましたが、授業自体は非常に充実していました。
特に印象に残っているのはマーケティングの授業です。元々興味があった分野ですが、例えばCRM(顧客関係管理)について深く学ぶことができ、その後のインターンシップの現場でも「あ、これは授業でやったことだ」と直結する場面が多くありました。
また、私は数字が苦手なのですが、ファイナンスの授業もカリキュラムに含まれていました。最初は抵抗感がありましたが、苦手なりに新しい知識に触れることができ、現場に出る前にアカデミックな視点で数字に触れておけたことは、結果として心理的なハードルを下げるのに役立ったと感じています。

2. 多国籍クラスでのサバイバルと「皆勤賞」
――クラスメイトの構成や雰囲気について教えてください。
全体で30人程度で、私の学年は2クラスありました。国籍は非常に豊かで、現地スペイン人の学生は4〜5人と決して多くはなく、世界各国から留学生が集まっています。
英語のレベルには個人差があり、授業についていくのに苦労しているクラスメイトもちらほらいましたね。
――そのような環境下で、学習への取り組み方で心がけていたことはありますか?
私は「授業には絶対に出席する」と決めていました。おそらくクラスで皆勤賞は私だけだったと思います。
周囲にはパーティーを楽しんだり、あるいは勉強についていけずにテストに落ちてしまい、再履修のために高額な追加費用を払ったり、ドロップアウトしてしまう友人もいました。
ホスピタリティ系の大学院は費用も安くはないので、私はどんなに眠くても出席だけはしようと、真面目に取り組んでいました。
3. 「EU圏外」学生のインターンシップ事情
――インターンや卒業後のキャリアを選ぶ際、どのように選ばれましたか?
キャリアフェアには、学校に多くのホテルがリクルーティングに来ますが、やはりスペイン語やフランス語が話せる学生が優先されます。正直、どちらも話さない私にはあまり期待できない環境でした。 そこで私は自分でLinkedInなどを使って探す一方で、学校のキャリアオフィスの「アジア担当者」に相談を持ちかけました。
――戦略を変えたわけですね。
はい。アジア市場に強い担当者に相談したところ、私の希望に合うホテルを直接紹介してくれ、面接1回でスムーズに採用が決まりました。自分で闇雲に動くよりも、適切なリソースに頼ることで道が開けました。
結果として、現在は日本での就職活動も視野に入れつつ、ホテル業界以外も含めて幅広くキャリアを検討しています。

4. ライフスタイルと求める人物像
――現地での生活は、ご自身に合っていましたか?
場所は最高でした。気候も良く、太陽の下で過ごすことで非常にポジティブな気持ちになれました。勉強は大変でしたが、授業後は友人とビーチへ行ったり、ランニングクラブに参加したりと、オンオフの切り替えができました。
――最後に、この大学院はどのような学生におすすめできますか?
ホスピタリティを集中的に学びたい方、社交的でフレンドリーな方、そして周辺環境でのアウトドアアクティビティを楽しめる方には最適な環境です。
逆に、ホスピタリティ分野への学習意欲が低い方、こじんまりした環境が苦手な方には厳しいかもしれません。
勉強はハードですが、この土地のポジティブなエネルギーを楽しめる人であれば、かけがえのない経験になると思います。
